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展覧会4日目_戸次祥子展

  

ほんとうでしたら、ひと月後の5月19日より展覧会開催を予定しておりました戸次祥子(べっきしょうこ)さんの、11年前の個展でK様にご購入いただいた作品のご紹介です。枯れ落ちた色とりどりの葉っぱでつくったモチーフのグラデーションと、ささやかにニュアンスの異なる白を重ねた背景がゆっくりと時を刻む、落ち葉のコラージュ作品です。詩的なタイトルからは、観た方それぞれが物語を想起されたのではないでしょうか。戸次さんには、カメリア黎明期にとてもお世話になりました。懐かしいです。今度予定しております10年ぶりの個展でご紹介させていただくのは精緻な木口木版で、掌におさまるくらいのひそやかな石のなかに、硬質で壮大な宇宙がひろがるような作品です。余白と余韻、そして音と詩を感じるのはずっと変わらない気がします。

  

戸次さんは、5月1日~5月15日に東京・国立のギャラリーWartermarkさんのオンライン・グループ展に出展されます

   

戸次祥子 / ヨハの礼状 より

(2009年12月9日~12月15日) 
「一年の話」

キャンバスに葉、ジェッソ、アクリルジェルメディウム

 

 

〇ご購入の動機

空から降りてくるギフトを受けとめようとしているのか、手にしていたものをひとつずつ世界に捧げようとしているのか。いずれにしても、人知れず静かに、くりかえし、積み重ねる、という行為のようで、そのときの自分に響いて、タイトルをみて、その想いが強くなって購入しました。

 

〇購入に抵抗はありませんでしたか

何十万円もしていたら抵抗以前に買えませんが、金額もサイズもささやかで迷うことはなかったです。

 

〇作品を飾ることで何か変化はありましたか

飾る周辺くらいは綺麗にしておこうかなと思いましたが、、、変わらなかったです。。。作品とまわりの飾り替えの頻度は高く、気分転換になります。

 

〇美術館やギャラリーには行かれますか

よく行く方だと思います。美術館おやすみは息苦しいくらいなほど淋しいです。夜間の美術館が好きです。ギャラリーは、見逃すことが多いので、時間をつくって効率よくまわろうとルートを考えるのも好きです。訪れる頻度はばらつきがあり、月に50〜60回くらいのときもあれば、10回くらいのときもあります。東京は美術館もギャラリーも多くとても恵まれていると思いますが、地方の美術館や芸術祭も魅力的な催しをやっていて、美術館の建築をみるのも楽しいので、お金と時間があれば、もっともっともっと行きたいです。

 

〇他にも作品を買われてますか

高価なものやたくさんは買えませんが、買っています。季節ごとに飾りかえていますが、おなじ作品の出番が多いです。増えてきた作品の箱を眺めるのは嬉しく、模様替えの都度、箱から出して再会するのも楽しいです。50万円くらいの大きな作品が欲しくて、、いつか買いたいです。

 

〇作品の購入を誰かに勧めたいですか

お店の人に勧めたいです。大昔の巨匠のポスターで印象派とか、カッコいいデザインかもしれないけれど大量印刷されてるポスターとか、もう、すごいイヤ!お店の雰囲気に合ってなくて、とりあえず壁にかけてあって、しかも傾いてるのにそのままとか嫌です。

カフェとか飲食店とかパン屋さんにしても、美容院も洋服屋も、今を生きている作家の作品飾ろうよ!!!って思っちゃいます。

 

 

〇その他 ギャラリーへ望むことなど

怖いとこ、困ります。見下されてるのか、来て欲しくないのかな?と感じてしまうくらい素っ気無いところ、緊張するし怖いです。逆に話しかけられ過ぎるのも困ります。いきなり、わーーーーーって説明してくるとか。あと、作品の前で作家さん?とお客様だけで盛り上がってるのは、作品よくみえないし、観る気がうせちゃいますね。

展覧会や作品の内容については、何をみても楽しいので特にないです。例えば技術的には巧みでなかったり、なんだかわからなかったりしても、作家さんが何を考えて制作したのかを想像したり、あとで同じ展覧会をみた人と褒めたりディスったりするのが楽しいので。

あ。ギャラリーではなくて国?へ「検閲しないで!」は、強く望みます。

 

 

以上

 

ありがとうございました。ご意見溜めていらしたのか、お伺いできて楽しかったです。他のコレクションもみせていただきたいですね。

戸次さんの葉っぱのシリーズの作品は、少しご無沙汰ですので貴重ですね。作家さんによっては昔の作品は公にしたくないかもしれないのですが、今拝見しても素敵な作品ですのでご紹介しました。下の展覧会画像は2009年と2010年のものです。最後の1枚は昨年盛岡で、飲食店の宣伝写真撮影中に遭遇した、べっき作品によるビールのラベルです。

べっきさんは現在、木口木版での版画制作をメインで発表されており、今度カメリアで開催予定の展覧会でも版画作品のご紹介となります。どうぞ楽しみにお待ちください。連休明けにはコロナ収束の見通しもついて開催時期を決められたらいいなぁと祈ってます。

         

 

戸次祥子 べっきしょうこ 

 

略歴 
2002 大阪大学人間科学部(教育学専攻)卒業
書店に就職 書店員として2年勤務
数ヶ月間フリースクールのボランティアで山の生活や自然農を体験
2004~有機野菜流通会社の広報企画部勤務。印刷物の編集やカメラマン業務に携わる

この間、京都造形芸術大学デザイン科通信課程入学。おもにグラフィックデザインを学ぶ
2005~自身の絵の制作と発表を開始
2007~愛知へ。出版社勤務、個人でのデザイン業を経て、作品づくりに軸足を移す
2010 京都造形芸術大学卒業。卒制(木口木版とブックデザイン)が学長賞受賞
 以降、個展やグループ展での発表のほか、イラストレーション、作品の受注制作など随時

  

 

 

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